作陶技法のポイント [タタラで丸皿]

タタラできれいな円形のお皿を作っちゃいましょう!!

タタラで作った丸皿

ロクロで引いたようなお皿!! 

円形の指跡も、高台もあるでしょう!(写真右) 

どういうこと・・・?

 

タタラ作りの変形皿・・・

 皆さんはタタラ作りで(板状に粘土を伸ばしたもの)四角や楕円の変形したお皿を作った経験は多くお有りでしょう?

 

丸いお皿・・・

 丸いお皿は大小を問わず、普通はロクロで引いて作ります。

でもロクロ引きのお皿を作るのは、へだってしまって意外と難しい!

 

簡単タタラ・・・

 タタラで丸皿を作っちゃいましょう・・・

  

  "出来味"に御不満足の方はロクロに挑戦しましょう



タタラで円形皿を作る(手順)

出来上がりのイメージ

出来上がりのイメージはこんな感じ。

回転する指跡や、高台もしっかり付けて!!

亀板を用意する
    亀板(裏面写真)

1.粘土・亀板の用意

粘土はお好みのものを・・・。

ここでは「赤1号」です。

ロクロの上に載せる「亀板」も用意します。

  同時に複数枚数を作るときは、枚数分「亀板」が必要です

亀板はロクロの上に乗せるとき、ロクロ外周にハメ込みのある、中心再現が出来るものがベストです。(左の写真)

亀板はベニヤ板を切り、四隅に接着剤を付けた木片を置き、裏返してロクロに乗せ木片内側がロクロ外周に当たるように寄せ当てて乾燥させます。

円盤を作る

2.タタラで円盤を作る

約500gの粘土をタタラで伸ばし、目標の寸法より少し大きめの円形を作ります。

小皿ですから、板の厚みは5mmです。

外形は後できれいにカットしますから、およその形でOKです。

丸くカットする

3.亀板の上で円形にカット
出来上がった円形のタタラ板を、亀板の中央に載せます。

ロクロを速く回して、できるだけ最大径に取れる円を、鉛筆で弱い線を仮に罫書きます。

この円の直径を物差しで測り、これを基準としてカットする円(20cm)を罫書き直します。

この線に沿ってナイフで円をカットします。

ナイフを動かさず、ロクロをゆっくり回しながらカットします。

亀板から円盤をそーっと引きはがし、他の板の上に一時移動します。 

変形しないよう注意しましょう。 

受け台リング

4.仮受けリングを作る

丸い紐状に粘土をもみ出し、それを平板で押して長い板状に作ります。

長さは皿の外周長さと同じです。

   直径×3.14=20x3.14=63cm

半分の長さで2本作り、後で継ぎましょう。

厚さは7mm、幅は10mmにカット。

これを先ほどの亀板の上でリングにつなぎ調整し、外形が皿と同じ20cmにして中央に置きます。

リングの上に他の平板を乗せ、上から押してリングを亀板に仮付けます。

ロクロを回しながら内径が真円になるように修正調整します。

ヘラ等で修正するのが良いでしょう。

もう一度平板で上から押してリングを亀板に固定します。

円盤をのせる

5.皿円盤を乗せる

先に一時移動しておいた皿円盤を、受台リングの外周に合わせながら、そっと乗せます。

ロクロをゆっくり回して、円盤が真円の位置にくるよう、必要に応じて置き直し調整します。

立ち上がり部の成形

6.皿外周の立ち上がり成形

円盤の外周部の一部を指でそっと持ち上げ、中心方向に落とし込む感じで押し込みます。

これを全外周に亘り、順次やります。

まだ固定しないでそっと置くだけです。

皿外周部の"立ち上がり形状"(このページの最下端参照)が安定したらOKです。

ロクロ引き跡をつける

7.ロクロ引き跡をつける

ロクロを回しながら、皿外周部を水でぬらし、指やなめし皮などで面取りなどをきれいに仕上げます。

次になめし皮で皿の表面を水で濡らし、ロクロを回して中心部から外の方へ指先で押して、「引き跡」を付けます。

立ち上がりの近くはあまり強く押し付けない(立ち上がり形状が狂います)

7.半乾燥待ち

ここまで出来たら一休み。

一旦亀板ごとロクロから外して、ビニル袋などに入れてゆっくり乾燥しましょう。

半乾きになったら、次の高台取り付けです。

8.高台用の平紐リングを作る

皿が半乾きになったタイミングで・・・

まず平紐を作る。

 幅7x高さ3mm、長さ約43cm

(高台の外形は皿外形の約70%くらい)

  高台の外形=200x0.7=14cm

  同上用紐の長さ=14x3.14=43cm

これを外形14cm高さ3mmのリングにする。

付け高台を作る

9.高台の取り付け
半乾きになった皿を亀板から外し、裏返して亀板に伏せ、ロクロを回しながら中心を出し、周りを動かないようにやわらかい粘土で仮止めする。

高台リングを乗せる部分に接着用の「ドベ」を付け、高台リングを皿の底部に乗せ、ロクロを回し中心を出す。(高台の上から強く押さえない。皿がつぶれるので)

高台紐と皿の接続部の隅をヘラでつぶしてスキをなくする。

高台面の内外を面取りして仕上げる。

裏底に引き跡をつける

10.底部にひき跡をつける

高台以外の皿裏面全体になめし皮で十分に水をつけ、ヘラなどでロクロの引き跡を付けする。

強く押し付けると底が変形してしまいます。
皿の中心部のソリを防ぐために、ビニールなどでくるんでゆっくり乾燥しましょう

     (以下の施釉工程は省略しました。)      -ページの先頭へ-


(参考)立ち上がりの形状について

お皿の立ち上がりの形は「好み」により作ってください。

「仮受けリング」の幅や高さの違いで、いろいろに変えることが出来ます。

左図を参考にしてください。