作陶技法のポイント [中皿]

お皿はへだってしまう!(-_-)

へたったお皿
途中でへだってしまった皿

 

平らなお皿は難しい!!。

タタラではなく、手ロクロでお皿を作る

のはなかなかうまくいかない。

外側がへだって下がってしまう。(写真右)

なんで・・・?

✰ヘタり・・・粗成形で最初からお皿の形に作ってしまいますと、口元や表面仕上げの過程でどうしても下へ力が加わってしまい、高台の外側から下へへだってしまいます。

✰まずは鉢のように・・・粗成形では高台の大きさ相当まで平らにし、それより外側は鉢のように立ち上げた形にします。

その後、口元、表面、平らな底部などを仕上げ、さらに立ち上げ部分の肉厚を適性にします。

全ての作業が終わってから最後に「平ら」に成形するのがポイントです。

✰平ら仕上げ・・ロクロをしっかり廻し、立ち上がっている最上部を指で外に広げます。やりすぎないように控えめに・・・・・。

次に少し下を外に広げます。

必要に応じて、さらに下を広げます。控えめに)

だんだん平らに近づいてくるはずです。控えめに)

もっと平らに近づけたいときは、もう一度最上部から広げます。

 やり過ぎはヘタリのもと。


    中皿を作る

1.出来上がりのイメージ

出来上がりのイメージはこんな感じ。

少し黒っぽい土を使って、薄目の白化粧土を掛けてワラ灰釉でほんのりミドリが出ると良い感じになるかな?

左図は焼き上がりの寸法ですから、成型寸法は15%増し

           です

  外径23cm  高さ3.5cm

  高台部直径は外形の70% 16cm  で成形します。

          2.粘土の用意

           粘土は「赤1号」に「黒泥」を練り合わせます。

           混合比は約5:1です。

           少し黒ずんだ赤土になります。

           ムラの無いように良く練り合わせます。

高台寸法の決定

3.高台の大きさ

粘土1kgを切り取り、ロクロの上で両手で形を整えた後、ヘラを使って高台を17cmの大きさに決めます。

ロクロを速く回してブレをしっかり取ってください。

以降の成形中も意識してこの高台の大きさは変えません。

粗成形

4.粗成形

粘土を親指で中心部から外側に押し出すように、厚みを少しずつ薄くしていきます。

そこの厚みは1cm、底の平らな部分は高台と同じ直径とします。

中心部がへこみ過ぎないよう注意しましょう。

高台の外側は鉢のように高く伸ばします。

何回転も繰り返し回しながら、およその肉厚と大きさに成形します。

一度に薄くしようと大きく変形させると、土割れ(ヒビ)などを起こしますので少しずつ変形を繰り返します。

回転ブレの修正

5.回転ブレを取る

ロクロを勢いよく回し、内面に指を適度な力を加えて当て、下から上に移動させながら回転ブレを修正します。

指先に強く当たるところは「土に負けない」ようにしっかりと押し返します。

表面を滑らかに

6.表面を滑らかに

水を含ませた皮で、内外面を充分にぬらします。

ロクロを連続して回しながら、土に押し跡がつく程度に指先でしっかりつまみ「指跡」の付いた表面をなめらかにしていきます。

このとき、側面の肉厚が適切になる様指先の感触で測りながら、粘土を引き上げます。

底部の厚みが適切かどうか、高さの寸法を測って確かめます。

底部をヘラで平らに

7.底部を滑らかに

ヘラを使って底面を高台相当の寸法まで平らで滑らかにします。

くれぐれも中心をへこませ過ぎないように

ヘラはしっかりと上から押さえます。

強く押さえても高台部相当ですからヘタリは出ません。

口元の仕上げ

8.上端を切り揃え、口元をきれいに

「弓」で上端を切りそろえます。

弓はしっかりと持ち、動かさないこと。

土に負けないで

もし回転ブレが出ていれば、この後なおします。

なめし皮に水を含ませ口元を締めるよう整えます。

まだ立ち上がっています

9.こんな感じです

ここまでで鉢の様な感じに仕上がりました。

立ち上がり部分の肉厚が厚いときは指先でつまんで引き上げ、仕上げます。

さらに、外周面(又は内周面)に「回し指跡」を付けるときは、この段階で付けておきます。

平らに広げる

10.たいら仕上げ

ここからがいよいよ「皿形」成形です。

ろくろを連続して回転させながら、最上部の内側からなめし皮又は指先で、外側にあくまでも"控えめ"に広げます。

回転しているときにそーっと指を触れ、離すときもそーっとです。

これらのとき回転を止めてはいけません。やり過ぎるとヘタってします。

くれぐれもご注意を。

皿成形の完成

11.皿の完成です

注意深く縁の立ち上がり形状を修正調整して、これで完成です。

平らにした後は決して余分にさわらない。

"口元をちょっと直そう"などと考えないことです。 

この後、適度に乾燥して底の高台を削れば成形完了です。

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