陶芸教室などで作ったものが「どうにも重たい」と感じることがありませんか?
大きさに比べ肉厚が厚いからだということはご存じの通りです。
肉厚が厚ければ、形良く成形する事にさほどの苦労はいりません。
初めのうちは格好良く出来た時点で成形を完了してしまうので、
重たい器が出来てしまうのです。
「軽い器」に目覚めて、薄い肉厚に挑戦しましょう。
重たい、軽いは大きさに対する相対的なものです。
同じ重さでも大きい方が軽く感じられます。
左の写真は肉厚を薄くする前と後の比較です。
ご飯茶碗で実際の肉厚寸を計ってみました。
焼成後の出来上がり寸法で成形した段階での
肉厚は(薄くする前)5mmです。
さらに薄くして、焼成後の収縮を考慮した大き
さまで拡大成形した肉厚は(後) 3.5mmでした。
肉厚は薄ければ良いと言うものでもありません。
磁器とは違い、陶器は「土物」ですから本来もろい物です。
もちろん粘土の種類にもよりますが、強度を得るためにも「磁器物」よりは厚くする必要があります。
何ミリメートルが最適でしょうか?
数値では決められません。
器の大きさや目的によっても異なるでしょう。
第一、作っている最中に何ミリメートルになったかなどは判りません。
(熟練してくると想像は出来るようになるでしょうが・・・)
最適な厚みは、完成して手に持ったとき"軽い"と感じられる厚さです。
無責任ですみません。
成形途中で肉厚を推し測る道具は指先の感覚のみです。
つまんでみて"これくらいかな?"と感じる訓練が必要となります。
抽象的ですが、成形中形の崩れに心配ない、安心できる肉厚ならまだ厚過ぎと思っても差し支えないでしょう。
成形寸法は焼成したときの"縮みシロ"を考慮して大きめに作ることはご存じの通りです。
まず(貴方の今まで通り)安心して成形できる肉厚で器の完成寸法に作ります。
次に肉厚を薄くしながら15%の縮みシロを考慮した大きさに拡大仕上げます。
恐らくこれで適度の"軽い肉厚"になっているはずです。
(下の写真参照)
薄くなった肉厚の感覚は指先で覚えましょう。
つまんでみて、"頭"ではなく指先の感覚で計りましょう。
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