四角い平皿

上の絵は青っぽくなっていますが、実際には    白いお皿です   
上の絵は青っぽくなっていますが、実際には    白いお皿です   

白い粘土で四角い大きめの平皿を作ります。

四角なら和食での箸遣いにもあまり違和感が起こらないかと思いまして・・・

 白い粘土に透明釉の白ではなく、白さのゆらぎを期待して敢えて不透明の「白マット釉」をかけてみます。

 

 

 

いわゆる「西洋皿」程度の大きさです。

焼成すると焼締まり、一回り(15%くらい)小さくなります。

作陶の手順

粘土の用意

 

白い粘土は ”古信楽の細目” を使います。

 

 1kg/個 用意します

 


成形

たたら造り

 ロクロを使わないで、「たたら板」と呼ばれる道具板を使い、厚さの均一な粘土板を作り、それを加工して器にします。

 

たたら板とは右の写真の様な道具板です。

色々な厚さがあり、作品により使い分けます。

今回使う板は、右から2番目の0.7cmのものです。

 

作業台には”そり”の少ないベニヤ板を使います。

 

粘土の塊を平らにしていきます

 粘土の塊を手の平で四角い板状に叩きながら伸ばします。

時々四隅の角が出るよう、粘土を寄せ合わせながら20cmほどの四角板にします。

途中工程で四隅の角を維持しておくことは重要です。(後からでは角が整いにくい)

 

次に麺棒(延べ棒)を使って周辺の余分に厚くなっている粘土を内側に寄せます。

凡そ厚さが平均したら、麺棒を中央部から外の方向に転がし、厚さを伸ばしていきます。

一度伸ばす毎に裏返し、伸ばしたい方向に麺棒を転がします。

 裏返しをしないと台板にくっついている側が伸びません。

 

たたら板で厚さを均一に

予定寸歩に近くなったら、0.7cmのたたら板を両側に置き、その上で麺棒を転がし必要寸法の方向に伸ばします。

もし、たたら板の厚みに伸ばし切っても寸法不足の時は、たたら板を外し丁寧に均等に麺棒を転がし、必要寸法にします。

(多少の肉厚減少は差し支えないでしょう)

 

作業中、周辺と四隅はマメに修正します。

 

 ケガキ作業

四角い板が出来たら、四方の外周部はナイフでカットして修正します。

この時、完全な直線にはカットしないで、多少のゆがみは残しました。

外観をあまりシャープにしないで、”ゆるみ”のある線を持たせようと思います。

 

四隅は外枠部を内側に折り曲げるので、斜めにカットすべき線をケガキ、斜にカットします。

 

四辺の折り曲げと接合

折り曲げには、あらかじめカットして作った木の板を使います。

この板の角部分には丸みを付け、粘土に当たる部分が尖らないようにしました。

 

折り曲げ線に沿って上記の板を置き、外から平板(定規を使っています)で引き上げるように約30度くらい内側に曲げます。

下がってこない様に、予め用意しておいた三角筒に新聞紙をあて、仮支えしておきます。

 

四隅の接合部には水を付けたヘラなどで接合部を濡らします。

両指で接合部が圧着するように押し付け、ヘラで境目をつぶします。

後は指先で滑らかにし、隅の上端部も指で整えます。

接合部裏面の仕上げ

四隅の接合部の裏側もヘラできれいに仕上げます。

 

4

 

 

 

外周部の高さ

周辺の立ち上がり高さを整えます。

新聞紙を一旦外し、辺の中央部の高さを測り予定寸法に整え、改めて支えの3角筒紙を押し付けます。

四隅はそれに合わせせて指で高さを整えます。

 

底面削り

適度に乾いたのち、上端口元の角をヘラや”切れないナイフ”で軽くバリ取りします。

 裏返して、四隅の裏面もきれいに削ります。

  

各種のたたら板:左から厚さ1.2、1.0、0.7、0.5cm
各種のたたら板:左から厚さ1.2、1.0、0.7、0.5cm

残り作業工程は素焼き、釉薬かけ、本焼きですが、窯焚きまで時間が空きますので、その時期になれば続きをアップします。